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駅で待ち合わせ、10分ほど歩きながら、住んでいるところや子どものことについて談笑。

カフェに到着後、軽い打ち合わせを済ませ、ゆきさん(仮名)のこれまでについてアンケートに記入。

(※今回のヒアリングには新聞記者とカメラマンが同席)

 

【生い立ち:両親の離婚~結婚まで】

調査員:先ほどご説明差し上げた通り、「過去、現在、未来」といった流れでお聞きしていきます。よろしくお願いいたします。では、まずゆきさん(仮名)の子どもの頃のことからお話をお聞かせ下さい。

(事前にゆきさんが記入した「人生バイオリズム」を見ながら)拝見すると、10歳ぐらいまでは特に何もなく穏やかに過ごされておられたんでしょうか?

 

ゆき:あんまりおぼえてないんですー。10歳ぐらいまではごく平凡だったんじゃないかなと…

 

調査員:なるほど。覚えておられないというのはきっと特に何もなかったんでしょうね。何かあれば覚えていますもんね。小さいときの夢とかは何かありましたか?

 

ゆき:まぁ保育園の先生になりたかったです。

 

調査員:そうなんですね、そう思った理由は何かあるんですか?

 

ゆき:なんか、年長さんのときの先生がめっちゃ好きで、あんな先生になりたいと思っていました。でもピアノが弾けないのであきらめました。ははは、あきらめるのが早い。

 

調査員:そうなんですね。

 

ゆき:あきらめるの早いんです…。

 

調査員:なるほどー。小さい頃は保育園の先生になりたかった。もう少し大きくなってからは何かありましたか?

 

ゆき:そうですね…特になかったんですけど、思春期のときっていうか、反抗期が早くて10歳4年生ぐらいのときには、もう、お父さんとは口聞かへんとか。

 

調査員:へー、早いんですかねー?

 

ゆき:もー、お父さんだいっきらい!っていう時期があって。うーん…そんな感じですね。そうですね、10歳、12歳、中学校に上がるか上がらないかというときに、親がぎくしゃくしするようにはなってて…。

 

調査員:なるほど。それがこの(「人生バイオリズム」を指しながら)ちょうど凹んでいるところですね。

 

ゆき:親が離婚したのが、ちゅう、いや、離婚したのは高校生かな?まぁそんなぐらいやったんですけど…。

 

調査員:そうなんですね。離婚された後っていうのは、お母さんとご一緒だったんですか?

 

ゆき:お母さんで、母子で。

 

調査員:今の地域ですか?

 

ゆき:はい、ずっと今の地域から出ず。あ、私弟のこと書くの忘れてました。

 

調査員:あ、そうなんですね。弟さんもおられる。

 

ゆき:えーっと、私の1個下なんですよね。

 

調査員:じゃ、3人のごきょうだいで?

 

ゆき:いえ、4人姉弟で。

 

調査員:あ、4人だったんですね。

 

ゆき:お姉ちゃん2人と、弟1人の4人姉弟です。

 

調査員:ではその4人のごきょうだいとお母さんとで住んでおられたんですね?

 

ゆき:はい。

 

調査員:なるほど。どんな生活をしておられたんですか?

 

ゆき:もう、お母さんはずーっと働いていました。確か、私が高校のとき、入ってからやったんですけど。私定時制高校やったんですけど。ただ定時制高校に行かざるを得なかったんじゃなくて、行きたくて行ったんです。

 

調査員:行きたくて行かれた?それはどうしてですか?

 

ゆき:そこにしかない学科があって。クラフト科っていう金属工芸の学科があって、全日の方にはなくって。

 

調査員:へー、おもしろい学科!

 

ゆき:だから、私は夜間に行こうって!(笑)めっちゃみんなの反対を押し切って夜間に行ったんです。

 

調査員:そこで手に職をつけられるような学科なんですか?

 

ゆき:だったんだと思うんですけどね。(笑)

 

調査員:具体的にはどういう授業なんですか?

 

ゆき:金属をつなぎ合わせて…

 

調査員:溶接したり?

 

ゆき:溶接…うーん、まぁアクセサリーを作ったりですとか、ガラス工芸をやったりとか。陶芸やったりとか。

 

調査員:いいですねー。

 

ゆき:めっちゃ楽しかったです!

 

調査員:へー、そんな高校があるんですねー。初めて聞きました。

 

ゆき:でもすぐに高校出て結婚、できちゃった結婚やったんですけど…。

 

調査員:ではその元旦那さんとは高校が一緒やったんですか?

 

ゆき:いえ、バイト先が一緒やって。1つ年上やって。

 

調査員:へー、どんなバイトしてたんですか?

 

ゆき:スーパーです。

 

調査員:そうなんですね。そのときに元旦那さんはおいくつやったんですか?

 

ゆき:私が高校生のときに知り合って、で、おと…お父さんって呼んでて、お父さんは警察官になりたくって。

 

調査員:うーん、なるほど。

 

ゆき:だからバイトしながら勉強してはったみたいで。

 

調査員:お父さんはそのとき何歳やったんですか?

 

ゆき:お父さんは1個上で18、19ぐらいのときに出会って。

 

調査員:そうですかー、若いですね。

 

ゆき:で、できちゃった結婚で。

 

調査員:じゃ、ほんとに高校卒業してすぐ結婚されたんですね。お母さんは反対されませんでしたか?

 

ゆき:そのときもうお姉ちゃんは結婚していて、でも全員学費とかは自分で出してて。

 

調査員:へー、みなさん、すごいですね。一番仲の良かったご姉弟はどなただったんですか?

 

ゆき:うーん、弟が姉弟って感じで、お姉ちゃんはお母さんに近い感じでしたね。あんまりお母さんが家にいない感じやったんで。

 

調査員:うーん、お姉さんがお母さん代わりだったんですね。

 

ゆき:そんな感覚でしたね。

 

調査員:弟さんが仲よかったんですね?

 

ゆき:年近かったんで。それに気さくやったから、彼女できたとか話もしとって、ふふ、プレゼントも一緒に買いに行ったりして。

 

調査員:なるほど、いいですね。

 

ゆき:よくしてましたね。

 

調査員:その他に、何か小さい頃のエピソードとかありますか?

 

ゆき:そうですね、親が離婚したことぐらいですかね?えー、ちょっとお父さんがお酒を飲んだら暴れるっていうことがあったんで。直接暴力とかはなかったんですが、家がぐちゃぐちゃになって…これぐらいの時期は男の人が苦手でした。

 

調査員:うーん、そうだったんですね。

 

ゆき:どなり声とかだめですね。

 

調査員:うーん、ではお母さんもそのことが原因で離婚されたんですか?

 

ゆき:耐え切れずというか、お姉ちゃんと私とで離婚させた感じですね。

 

調査員:そのときは何歳ぐらいだったんですか?

 

ゆき:ううん、私が中1ぐらいで、お姉ちゃんが高校生ぐらいやったんですね。でも自分的には平凡に生きてるつもりやったんで。

 

調査員:お母さんはどういった方だったんですか?

 

ゆき:ハッキリしてますね。気、きついのかな?気もきつい様な気もします。

 

調査員:へー。

 

ゆき:でもかわいらしい様な。

 

調査員:ゆきさんは、ほんわかされてますけどね。

 

ゆき:そうですかー。

 

調査員:はいー。

 

ゆき:お母さんは、はきはき、してましたね、働いている頃は。なんか人間臭くて好きです。

 

調査員:へー、やはり下町っぽい感じのお母さんなんですかね?

 

ゆき:はは、そうですね。

 

調査員:では、それ以外には特にない感じでしょうか?

 

ゆき:すみません、何もなく。

 

調査員:いえ、何もない方がいいですよね。ではご結婚されて、19歳のときですよね。出会ってすぐという感じたんでしょうか?

 

ゆき:はい、で、付き合ってる期間も半年。

 

調査員:大恋愛(笑)といった感じだったんですか?

 

ゆき:そうですね、で「自分も働くわー」って就職してくれてすぐやったんですよ。

 

調査員:警察官にはなられず?

ゆき:はい、あきらめて正社員でがっつりお金を貯めて行こうねって話をしているときに子どもが出来て…

 

●休憩(取材のカメラマンが退室)

 

 

【結婚~離婚まで】

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調査員:では、ご結婚されてから、昨年離婚されるまでの話をお聞きしていきたいと思います。ご結婚されて何年ぐらいご一緒だったんですか?

 

ゆき:結婚してた期間自体は8年。

 

調査員:へー、そうなんですね。その間にあったこと教えてもらえますか?

 

ゆき:色々ありましたー。

 

調査員:じゃ、少しずつ教えてください。(笑)

 

ゆき:結構波乱万丈な感じで、5年ぐらいはすごい平凡やって。5年ぐらいから、うちのお父ちゃんもお酒飲んだら暴れるところがあって、それだめよって。飲んでないときは、まぁ普通っていうか、逆に言わへんから出るのかもしれないんですけど。お酒飲むとちょっと暴れるところがあって、うん…

 

調査員:暴れるっていうのは、どんな風にですか?

 

ゆき:そう、殴られはしないんですけど、殴りかかる素振りとか、壁がボコボコになったり、手が血だらけになってはったりとか。

 

調査員:おもいっきりやりはるんですね。

 

ゆき:はい。力も強い人やって、もう止めることも出来ず。私も自分の父親がその気があったからそのときは怖くて何もできず。

 

調査員:なるほど。

 

ゆき:落ち着いたときに、「あれはだめでしょう」って。こんこんと。飲んで落ち着いたときに、ということはありましたね。

 

調査員:5年ぐらいは平凡に暮らしてておられたとのことでしたよね。

 

ゆき:そうですねー、お酒もそんなに飲まへん人でしたしー。

 

調査員:それは、飲むようになったのは、なんか理由があったんでしょうか?

 

ゆき:会社でも飲むようになって、逆におとなになって飲むようになったから、限度がつかへんかったんかもしれないです。

 

調査員:ふーん、では特に何か問題とかがあったというわけではなく?

 

ゆき:まぁ、あったんですかねぇ、本人の気持ちが私がそんなに…仕事の愚痴も言う人ではなかったから。今となってはたまってはったんかもしれへんとも思うし…。

 

調査員:なるほどー。

 

ゆき:ただちょっと、一線を越えるとワーッとなりはる…っていうのがー…

 

調査員:それは、見ておられてどんな感じだったんですか?

 

ゆき:うーん、こわい…「だめよ」と言いつつ…。

 

調査員:お子さんはどんな様子だったんですか?

 

ゆき:もうそのとき大きかったんで、子どもらも未だに覚えてるし…街中で喧嘩してる人とか見たらー、やっぱり固まる…っていうかー…びくびくしやる傾向にありますね…。

 

調査員:お子さんに直接何か暴力的なことってあったんですか?

 

ゆき:いや、それはなく、見てただけなんですー…

 

調査員:見てて、「こわいなー」って、感じだったんですね…。かわいそうに。

 

ゆき:うーん…

 

調査員:そうですかー。では、結婚されて5年目ぐらいから3年ぐらい、そういった状態が続いたということですね。

 

ゆき:実は、浮気もあったんですー。

 

調査員:そうなんですねー。

 

ゆき:浮気も、知らん人やったら良かったんですけど、私の身近な友だちやってー…。私もそこはひっかかってー…うん、しまったというかー…。

 

調査員:それはいつ頃のことですか?

 

ゆき:それはちょうど、5年すぎ、6年目ぐらいやったと思いますねー。

 

調査員:では、5年目過ぎからお酒を飲んでは暴れるわ、浮気はするわということが始まったんですね。

 

ゆき:はい、それが始まってそんなことが3年続きました…。

 

調査員:3年が続き、最後決断されたというのは、何かきっかけがあったんですか?

 

ゆき:実は、お金遣いもじつは荒くー、かってー…

 

調査員:あら、そうだったんですねー。

 

ゆき…ダメダメやったんです。まぁ結構、朝になったら私の財布の中のお金がないってことがー…まぁそんなちょっと…あんまりケンカはしなかったんですけどー、私がまぁこんこんと叱るという感じやってー…なんかちょっと口論になったときに、「俺を甘やかしたお前が悪い」って言われてー、もうその一言でー、「ああ、この人変わらへんねやわー」って…「多分一緒にこのままおってもこれ以上成長できひんねやわー」って思って、その一言が、自分の中の踏ん切りやってー…。

 

調査員:なるほど、その一言が決断のきっかけになったんですねー。

 

ゆき:はい、このままずるずるするだけやなぁってー、うーん、反省してへんやんって思ってー。

 

調査員:うーん、そのときは、すんなりと受け入れてくれたんですかー?

 

ゆき:結構、ごねはりましたー。まだ一緒におりたいとかー、ひたすら謝ってきたりとかー、プレゼント(笑)もらったりとかー…がんばってくれはったんですけどー…でも話してー、別にだから顔もみたくないわーっていうわけではなくて。うん、なんかお互い、私も悪いところがあったし、成長のためにも一緒におるのは違うと思うから、離れましょかいうて、離れたんです。

 

調査員:ふーん、そのきっかけとなることがあって、離婚されるという期間はどれぐらいやったんですか?

 

ゆき:早かった、です。動き出したら、決断したら早かったですね。で、私結構人に相談でけへん性格で、今こんなにオープンに話してますけどー、私基本、自分のことを話すのが嫌いで!多分、逆に身近な人やったら話してないかもしれないですけどー。

 

調査員:そういうことってありますよね、うんうん。

 

ゆき:だから、もう、みんな円満な絵に描いたような家庭やと思ってくれてたからー…

 

調査員:隠ししてはったんですね。

 

ゆき:うー、主人の悪口を言う、この場で言うっていうのが私には分からんくってー。みんな飲み会とかあったら、結構言ってはるけどー、私は絶対できひん人やってー…

 

ゆき:へー、そうなんですねー。

 

調査員:それはどうしてなんでしょう?

 

ゆき:えー、なんやろー…。でもー、人に言うっていうのがー、それってどうなんやろー、みたいなー。一番味方でいとかなあかんのにー、逆に友だちが旦那さんの悪口言ってたら、次のときお会いしたときやんわり想像するじゃないですかー。(笑)

 

調査員:なるほど、そうなんですねー。

 

ゆき:「へー、そうなんや」って、勝手な想像ついちゃうからー。それだけは絶対したらあかんって!外では、悪口は言わんくって、私、親にも言わんくって、親も脳梗塞とかあって、ばたばたっとお母さんが体調を崩してとったんで、よう言わん、かってー…

 

調査員:なるほどー…ご兄弟とかにもですかー?仲が良かったという弟さんとか?

 

ゆき:うー、弟は結婚したから、もう会うこともなくなってー。お姉ちゃんは知ってたんですけどー、浮気が分かったときも2番目の姉が飛んできてー…間挟んで話もしてくれたりとかー、あったんですけどー…うーん…。

 

調査員:では、ご相談されるとしたら、お姉さんたちに?

 

ゆき:うーん、そう、ですねー…。お姉ちゃんたちにも基本、言わなかったです。

 

調査員:そうなんですねー。

 

ゆき:はい。

 

調査員:では基本一人で考えるー?

 

ゆき:うー、もっとほんとは言わなあかんのでしょうけどー…なかなか言えなくてー…みんなに報告したときには、「もう離婚します」やったんですよー。

 

調査員:自分で決めてから、報告をされたんですね。

 

ゆき:下の子が小学校にあがってからとか、っていう話もしてたんですけど、親とか親戚にお酒飲んで暴れる癖があるから、離婚決めたんやったら早く出て行った方が、いつ飲み過ぎて暴れるか分からへんから、子どももいてるから、早めに出って言われてー。でも、ほぼ、すぐ、決めて、すぐでー、早かったです。

 

調査員:具体的にどれぐらいやったんですか?

 

ゆき:1か月半ぐらいですかねー?家探してー…

 

 

【離婚後~現在】

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調査員:先ほど、ここに来るまでに少しお聞きしていた、出るときほとんどお金もなかったってお聞きしていたじゃないですか?それでもすぐ、出ようと思われたんですね?

 

ゆき:はい。なんで、今の家も敷金も礼金もないところでー。とりあえず入れたらいいやと思ってー、入ってー…

 

調査員:そのとき、躊躇することとか、不安に思うことってありましたか?

 

ゆき:なかったんですよねー。案外頑固みたいで、決めたら、もうー…だから今も全然後悔してないんですけどー。

 

調査員:では、不安なことはなかったんでしょうか?

 

ゆき:不安はありましたねー…

 

調査員:どんなことですか?

 

ゆき:やっぱりお金のことが一番…そのときパートやったんで、そのときの給料が8万円ぐらいしかない状態で、なんぼ母子手当が出るっていうても足して2人で4万少し。そんなん12万とか、家賃も払ってって言ったら、絶対こんなん生活できひんわーって。

 

調査員:そうですよね。でも出ようと思われたんですよねー。

 

ゆき:で、会社にも年末調整がどうのこうのって時期だったんで、会社にも離婚するんでって言ったらー、「ほんならもっと長時間はたらけるようにしよかー」って言ってくれはってー、えー、3月から長時間働かさせてもらえるようになったんですよー。

 

調査員:だいたい何時間ぐらいなんですか?

 

ゆき:今、7時間半。それでも今手取りで11万ちょい…

 

調査員:週に何日なんですか?

 

ゆき:スーパーなんで基本的に日祝とかもあって、シフト性で、週5日出てます。2日だけ休みでー、出てますー。

 

調査員:社員と同じだけ働いておられるんですよねー?

 

ゆき:はい、子どもらも土日祝とかになったら家にお留守番してねって言って待ってもらってて。

 

調査員:そうなんですかー。

 

ゆき:って、今もやってるんですがー。

 

調査員:小1と小3の男の子でしたよねー?

 

ゆき:はい。もう家にこもらっせきりでー…やってー、うーん。で、今、ちょうど転職を考えてて、やっぱりお金がどうしても、ついていかれへんのと、休みがどうしようもないのでー、今、それの健康診断も午前中行って

きたぐらいでー、決まるといいなーって、なんですけどー。なんとか、年収200行くかいかへんかって感じでー、まぁ日祝休みやっていってはるんでー。

 

調査員:決まるといいですねー、お子さんのためにもー。

 

ゆき:でも私は今の仕事辞めたくはないんですけどねー。

 

調査員:人間関係が上手くいかれてたんですか?

 

ゆき:人間関係もよくって…ずっと工場で働いていたんで、スーパーはいい人ばかりで…

 

調査員:そうなんですねー、でもお子さんのこと、お金のことを考えて、転職を決意されたんですね。

 

ゆき:泣く泣くですけど、転職しようかなって今、考えてるところです。

 

調査員:そうですかー、いいですもんねー。お子さんは、お休みの日にお母さんがいてくれると。

 

ゆき:客観的に考えたときに、私動かなあかんわーって、意地ですねー、これ。(笑)

 

調査員:離婚されてから、まだ半年でそう動かれて、すごいなって思います。そういうことができるっていうのは、どういったことからなんですかね?

 

ゆき:やっぱり子どもがいてるからですねー、やっぱり頭で考えたら、動かんと思うんですよー…。面接もー、気持ちの面では行きたくいないんですよー、だから、自分で離婚もそうやったんですけどー、客観的にみてアカンと思ったら、がーっと突き進んで行ってしまうんで、自分が動かした行動やのに、自分のまわりの動きに気持ちがついていかへんようなー、そんな気持ちですねー。

 

調査員:なるほどー。

 

ゆき:だから、私、ほんとに仕事辞めんねやって感じでー(笑)、ほんまに自分で動いてるのに気持ちがついて行ってない様な気持ちで。でも生活考えたら…うーん、子どもがいてるからー…意地になって、動いてる感じですねー…

 

調査員:ふーん。ではお子さんがいなければ今の職場にもいたいですか?

 

ゆき:そうですね、でも今の職場の人にも今は母子手当とかもらえるから、ぎりぎり生活できるけどー、そりゃ、再婚したらいいけどー、ずっとひとりでいてるとしたら、手当てが切れたときに、それだけじゃ生きていけへんでーって…「もう若いねんから正社員とか探すんやったら今やで」って言ってくれて、お母ちゃんがいっぱいっていうところやってー。なんでー、もう、動くんやったら、動きやーって、背中おしてもらってー、もう動くべきやなっーって思って…

 

調査員:そうなんですねー。

 

ゆき:頭で考えたら、マイナス思考にしか走らへんのでー、とりあえず、プラスになるって客観的に思えるんやったら動き出さなー、何も始まらへん、っていうのは、うーん…。

 

調査員:そういう決断も誰にも相談されず?

 

ゆき:そうですねー。(笑)

 

調査員:ちょっと話が戻りますが、家を出られたときも、誰にも頼らず、お金も借りたりせずだったんですよね?

 

ゆき:とりあえず、水道代もガス代も後回し後回しでー、収入も入ったらはらおーって…

 

調査員:それは、最近の話ですよね?

 

ゆき:はい、そうですー。(笑)でもほんとは市営住宅とかも入れたらよかったんですけどー、学校の校区の中に団地がなかったんですよー。だから高層っていって、なかなか入れないところしかなくって。だから子どもから何もかも奪ってるのに、転校だけはしたくなかったんですよー…

 

調査員:そうですよねー。

 

ゆき:友だちぐらいは残したらなって。家賃が5万6千円ぐらいなんですけど、安いほうっちゃ安いほうなんですけどー…

 

調査員:収入との割合ですよねー…

 

ゆき:そうー!考えるとー、大きくってー…

 

調査員:それは、おおきいですよねー。

 

ゆき:でー、とりあえず、保証人だけは、お姉ちゃんに頼んでー、家賃だけは滞納しんとこってして。だからほんとにお金がない2か月、3か月のお金のないときは、ほんまにカツカツの生活で、子どもらにも、「ごめんやけど、お代わりないでー」とかー。(笑)

もう赤裸々にちゃんと子どもらにもごめんやけど、お金がないから、っていう話もして、でもがんばるからちょっとの間我慢してって、話はしてー。

 

調査員:子どもさんらはそれになんて言ってるんですか?

 

ゆき:「わかった」って。3人でがんばろなって。

 

調査員:そうなんですねー。

 

ゆき:でも私は正直、その時期、ごはん食べてなかったんでー、私そのとき、多分6キロぐらい痩せましたー…2か月、1か月半ぐらいでしたかねー。こーんって痩せましたねー…。…金欠ダイエットって感じでー。

 

調査員:そんなー…お身体大丈夫だったんですかー?

 

ゆき:しんどかった、ですー!

 

調査員:そうですよねー、食べないとー…病気とかにはなられなかったんですかー?

 

ゆき:はい、なんとかー。そのときって、大丈夫じゃないですかー。ちょっと落ち着いたときに、ポーンって体調崩したんですけどー…でもそのとき大丈夫でしたねー。

 

調査員:どの様に体調崩されたんですか?

 

ゆき:めまいとかがすごくてー…ストレスからくる、自律神経的なやつやって言われたんですけどー、やっぱり、気がちょとふっとなったときに、なったんですけどー、案外一番しんどいときは大丈夫でしたー。

 

調査員:気が張っておられるときは、そうですよねー。そういうとき、お仕事はどうされていたんですか?

 

ゆき:行ってましたー…

 

調査員:それは、大変でしたねー…自分の心、心理状況はどんな感じだったんですかー?

 

ゆき:でもめっちゃ、不安は不安やったしー、ちょうど、子ども会の会計もやっててー、3月締めじゃないですかー、だからほんとに寝る時間がなくてー、私も「なにやってるんやろー」って、夜中に数字見ながら、はーって。(笑)         私のお金じゃない、のにって、あんときはきつかった、ですねー。

 

調査員:やめさせてもらえなかたんですかー?

 

ゆき:今年はやめさせてもらったんですけどー、まぁ子どもにも言うたらお金がないからまぁ1年はやめさせてくれと…

 

調査員:子ども会のお金が払えないからということですね?

 

ゆき:年会費、最初に、3千円やったかな、3千8百円やったかな、いって(必要で)、でも年間いっぱい遊ばせてもらって、めっちゃ安いと思います。他のイベントも全くお金が要らない状態。

 

調査員:それが4月の年度初めに払えない状態だったんですね。

 

ゆき:4月にお金でえへんからー、まぁ仕事も土日祝もでなあかんから、そのためにも休みもらうわけいかへんからー、今は働かしてくれるんやったら働きに行きたいから、今年はちょっと我慢してくれって言ってて、お休みさせてもらってるんですけどー。

 

調査員:では、今年は子どもたちは我慢して、来年からいけたらいいなという感じなんですね。

 

ゆき:怒ってますけどねー。秋祭りが近づいてきてー、「だんじりの練習出たらあかんの?」って。「ごめん、ムリ」って。(笑)

 

調査員:そう、ですかー…。

 

ゆき:まぁー、しゃーないって。子どもらにも言ってー。

 

調査員:子ども会には免除とかないんですね?

 

ゆき:子ども会は、うん、任意で入るもんなんでー…入らんかったら入らんでいいんでー。無理かなーって。

 

調査員:そうですかー、地域の子どもはどれぐらい入っているんですか?

 

ゆき:まぁみんな入ってますねー。我慢させてるなーとは思ってますねー。

 

調査員:うーん、そうですかー。でも今は、パートと子どもの手当てで何とか生活されているということですよね?

 

ゆき:でも、実はまだまとまってなくてー。えと、子どもの母子手当が、12月分が入らないんですよー4か月分で、2か月分ぐらいしかもらえなかったんでー…

 

調査員:それは、いたいですねー…

 

ゆき:切り崩してー…下の子の保育料がー、私離婚したら免除してくれると思ったんですが、去年の収入が少なかったんでー。私ひとりの給料やったら免除やって思ったらー、去年非課税やったら、その前の年の市民税で計算されてしまうんですー…

 

調査員:かなり遡って計算されるんですねー。

 

ゆき:去年非課税やったのにー、非課税やったからー、その前の市民税が掛かってるから、月額1万円、保育料が掛かってー…

 

調査員:わー、また大きいですねー…

 

ゆき:まじでーって思ってー、予想外でー…

 

調査員:それは、どこかに相談にいかれたんですか?

 

ゆき:電話したんですけど、はっきり、「無理です」って言われました。もしするんやったら、分割は出来るけど、分割するんやったら、その手続き…

 

調査員:平日に役所に行かないといけないいんですねー…

 

ゆき:それにちゃーんと払いますみたいなの書かされるみたいでー…そうじゃなければ差し押さえますーって手紙が来てー…で、払えるときに払おうと思ってちょっと先延ばしにして、払ってー…督促状がやってきましたねー…

 

調査員:今お金なくて2年前の市民税、ちょっとそれはないですねー。

 

ゆき:はい、えーって払えないって人いると思いますー…免除やろうって期待しての、やったので、ちょっとあーって思いました…

 

調査員:なるほどー、大変でしたねー…。ではパートの収入がメインで、後は子どもの手当てだけで…?

 

ゆき:そうなんです。お父さんからもらってるのが、2人で1万円だけでー…だけしか出えへんって言われてるからー…

 

調査員:お勤めはされておられるんですよねー?

 

ゆき:はい、でも離婚したらー、減るじゃないですかー、家族手当 とかー、減るからでえへんって言われてー。そう、みんなから、離婚したときに正式に書かせるやつあるじゃないですかー…

 

調査員:ありますねー。えー、公正証書でしたかねー?

 

ゆき:そんなんを作りに行きやって言われたんですけどー、あれも作るのにお金がかかるんですよねー…。そんなお金ない!って。「万する」って聞いてて、「2万ぐらいでできるよ」って、「将来のこと考えたらやりや」って、言われたけど…出ない。出ないからー、まだ今はつくってないですー。(笑)

 

調査員:お金が入ったら作っておきたいですよねー。

 

ゆき:おきたいですね、はい。

 

調査員:なるほどー…

 

ゆき:まぁ今、ほんまにお金がないんですね。

 

調査員:よぉくわかりました。

 

ゆき:お金がない、何するのにもお金がない…。お金がないからちょっと心も余裕がない…。なくなってしまう、っていうかー。その悪循環は大きいです…。

 

調査員:次の仕事は決まればいつからなんですか?

 

ゆき:7月の半ばです。そこは決まれば1年間パートで、2年目からは準社員はボーナスもいただけるって話やったんでー、ボーナスいれて、200前後―って、休まへんかったらー。

 

調査員:休まへんかったら…。でもそれぐらいあったら、生活出来る感じですか

 

ゆき:まぁそれだけあったらー、今と比べたら全然ー…。

 

調査員:そうですかー、それに子どもの手当ても順調に入ってくるようになれば ーって感じですかね。

 

ゆき:それやったらできるかなーって。

 

調査員:そうですかー。

 

ゆき:でもまわりには、ひとり4万もらえるじゃないですかー、でもまわりの人ってそれ知らへんくて、「2人おったら、8万もらえる」と思ってる人が、すごく多いんですよー…違うんですよー…

 

調査員:ちがいますよね。

 

ゆき:6千円ぐらいしか上がれへんくって。みんな「余裕やろ」って、知らへん人は言いはって…

 

調査員:そんなこと言いはる人がいるんですね?

 

ゆき:いはってー、働かんでも生活できるもんねーとか、言いはる人がいてはるんですけど…いやいや、ひとりふたりも変わらんみたいなのはありますねー。

 

調査員:なるほど、そんなん言われるのもつらいですねー。

 

ゆき:はい、言いはる人は言いはるので、、母子でも余裕な生活をしてはる人がいるじゃないですかー、彼氏がいても籍はいれずにー、正直、彼氏名義でいい車に乗ってんねんていう人もいて、そんな人の方が結構目につくみたいでー。「母子って余裕やん」て思われがちなのもー、逆に、なんか相談しにくい人もおるんちゃうかなーって、思います。違うねんて思うんですけどー、うん、そういう人も実際にまわりにいるんで、高級車乗ってる人もいて、ほんまにそういう人と、実際困ってる人との境目みたいなのが出来たらいいのになーって、なんでもかんでも母子やから母子やからーって、手当とか、補助とか、サポートとかあったら生活できるやんって思われるのも嫌なんです。

 

調査員:ほんとにしんどい方もたくさんいますからね。

 

ゆき:ここで言うのもなんなんですが、あれなんですけど、ほんまに困ってる人との違い、っていうか、ずるっこする人と…

 

調査員:そこどうすればいいと思われますか?

 

ゆき:難しいんですけどねー…

 

調査員:その人も別に結婚されているわけでもなく、その彼氏と別れたら車も自分のものでもなく、なんだか不安定ですしねー。

 

ゆき:そうなんですよねー…

 

調査員:でも今回のゆきさんの様にほんとに困っておられる方に支援がいかないといったことにつながると困りますもんね。

 

ゆき:そうなんです、だからほんとに困っている人に支援がつながる様になっていったらと思ってますねー。私なんかは、家族がみな近くにいるので、「どうしても困ったときには、ご飯食べにおいで」って言ってもらえる環境なのでー、ほんまに全然ちがうとことに出て行ってはる人とになると、「誰にも相談できひんわー」ってなったとき、しんどいんじゃいかなって…

 

調査員:でもゆきさんもごはん食べておられなかったし、しんどいですよね。お子さんも年間3,800円の子ども会すら入れず…

 

ゆき:そうなんです…。でも友だちとかもおって、色々教えてくれるしー…ほんまに子どもも保育園にも入れてへん、友だちもおらへん、親戚もおらへんって人がしんじゃうんじゃないかなーって。そういうところにもっと、伝わればいいのになーって思って、今回参加させてもらいました!

 

調査員:なるほど、ありがとうございます!

 

ゆき:私はこうやってぎりぎりでも生活できてるんで。きついですけどねー…

 

調査員:うーん。

 

ゆき:でも生きてはいけてるんで。力になれたらいいなっていうのが、大きかったんですけどねー。

 

調査員:うーん、ほんとに大変な人ほど人とつながっていないっていうのがありますよね、それは身近にも感じられますか?

 

ゆき:自分の地域は結構、わきあいあい、嫌なこと言う人もいますが、話しやすい方が多いです。福祉にも強い地域やとも思うんですよー。市営住宅が多かったりやとかー、他の市から来る人も多いみたいです。子育てしやすいって聞いてこっちに越してきたっていう人も多くて、多分、他人からしたら、いいイメージはないかもしれないけど、サポートはしてくれはる地域じゃないんかとは思います。

 

調査員:行政だけではなく、地域が住みやすい、他人のつながりが多いということですか?

 

ゆき:市営住宅が多いからですかねー?そういう制度を知っている人も多いですねー。

 

調査員:そうなんですねー。

 

ゆき:こう言ったらあれですけど、障がいを持った方とかも多いっちゃ多い、海外から来はった人も多いです、だから逆に偏見とかも少ない、だから私は逆に好きって言うかー。

 

調査員:そうなんですねー。地域によって全然ちがいますもんねー。

 

ゆき:そういう意味では、子育てはしやすい地域です。だから母子の方も多いです。

 

調査員:なるほど。でもほんとに離婚してまだ半年で、色々お話いただいて、ありがとうございます。

 

ゆき:でも逆に離婚して、いろんなものを得れたのでー。

 

調査員:例えばー?

 

ゆき:人に頼ることをしなかったんですけどー、他人に弱いところみせるのが嫌いやったりとか、人に「助けて」って言うことができなかったけど、少しずつやってみようと思ったりー…すごい、考えが変わりましたー。逆に成長させてもらいました。

 

調査員」その、人に頼ってみようと思うようになったきっかけはなにかあるんでしょうか?

 

ゆき:離婚するってなったときに、絶対ひとに迷惑かけるじゃないですかー、かかる覚悟で離婚したんでー、その倍のお返しをする気持ちで動こーって、お酒飲んだら暴れる人なんで、自分が動かな、なにも変わらへんって。そう、今もすでにめっちゃ頼ってるんでー、今はそこからどうやって自立するかって考えてて、だから転職も考えてて…

 

調査員:へー、具体的にはどんなことを頼っておられるんですか?

 

ゆき:うーん、実際なんかしてもらうとか、ないんですけど、でも「なにかあったらいつでもおいで」って言ってくれるんでー、親戚もそうやし、友人もそうやしー…「なにかあったら、いいで、おいで」って、言ってくれるんでー、やっぱり大きいですね。

 

調査員:なるほど。では離婚する前は、ご自身のことご家族のこと話すのはイヤだと誰にも相談されずにおられたじゃないですかー。今となっては、もっと相談しておけばよかったと思われますか?

 

ゆき:うーん、でも実際は今がいいんでー、自分が成長できてるんでー、今がプラスであればどんな過去もOKやっていう感じもあるんでー。大変なこともあったけど、今後につなげていったら、遠回りやったけど結果良かったのかもしれへんなって、思って、逆に無駄にせんとこって、後悔しても戻らへんから!ほんまに考え方が変わったんですけどね?

 

調査員:いつ頃、変わられたんですか?

 

ゆき:ふん、結構マイナス思考やったんでー、もう、ずっとうーんって感じやったんでー。私はだから、私は成長しようねってお互い離婚して、成長できてるんかなって思うんで、そう説得して、親みたいな感じで,結構離婚して、みんな離婚するとき、「死ねばいいねん」とか言いますけど、「結婚してくれたらいいのに」って思うぐらい、そうやって子どもにもしんどい思いさせたんやから無駄にしんとって欲しいと言うか。

 

調査員:ふーん。

 

ゆき:だから逆に心配ですねー、生きてんの?って。

 

調査員:ほんとにお母さんみたいな気持ちなんですね。

 

ゆき:うん、感覚は大きい子どもやったんちゃうかなーって、今となっては思います。甘えてはった、最後の言葉がはっきり出てたんですよね。もしかしたら私が甘やかしてた…。ほんと亭主関白やったし、もう友だちの中でも結構有名で、話してたら、「え、そんなもんなん?」みたいなんがあったんでー…。

 

調査員:そうなんですねー。

 

ゆき:だから子どもが会うのも嫌じゃないんでー。会いたかったら、親なんで、子どもにとっては親なんで、子どもにも会いたいんやったら、会ってもいいしーって、言うてますね。私とはもうつながりはないんですけど…。もう離婚したんでー。連絡とかはほぼしてないですけど。

 

 

【社会にのぞむサポート:ゆきさんの場合】

調査員:なるほど。まぁお金はないということは分かったんですが、それ以外で困っていることはありますか?

 

ゆき:でも、やっぱり、気持ちの面が…こうやって話をしたりすると、ちょっとスッキリもするんですけどー、相談するところがやっぱりない。なんぼやっぱり甘えてるって言っても、全部、親やら親戚やらにぶつけるって言うわけにもいかへんし。たまにすっごくさびしくなるときがあるんです…。

 

調査員:そうなんですね。

 

ゆき:はい。そういうときに、分かり合える人がいればー…大きいんじゃないかなっーって。

 

調査員:相談ということよりも、分かり合えたえり、共感できるようなところがほしいという感じなんでしょうか?

 

ゆき:そうですねー。もしかするとー、相談をする人も必要なんかもしれないんですけどー、私は結構ズバッと動く人やからー、相談相談ってないんかもしれへんけどー、やっぱり、悩んで悩んで動かへんで考えるひとやったら、ひとりじゃないから多分悩む。相談できるところって大きいんちゃうかなって思います。

 

調査員:具体的に相談したいことってありますか?

 

ゆき:やっぱり私は子どもがいるので、子どもが一番に出てくるんですけど、やっぱり仕事が長時間やと待ってもらったり、離婚したときってやっぱり子どもって目に見えるほど、不安定やったんですよー。自分もイライラするしー、子どももイライラして、ていう…お互い、いーってなって、分かるけどー、いっーってなるじゃないですかー、そんなとき子どものこととかも相談するところがあったらいいんじゃないかなって。やっぱり露骨に出ましたねー、よー泣くし、よーキレるしー。ほんと、子が変わったんじゃないかなっていうぐらい、一時すごくて…今もまだ不安定やとは思うんですけど、そんときと比べたら、全然、まぁ私はこうやってまわりに人がいるんでー。

 

調査員:子どもたちのサポート、うーん、なにが出来るでしょうね。

 

ゆき:先生とかに逆にそういうときに荒れてるから、「●●くん、叩きました」とか言われたら、逆にお母さんストレスがたまるんじゃないかなって。うちの子はどっちかというとおとなしい方なんです、まぁだからましですけどー、その子その子のカラーがありますから、うちの子は言葉遣いが荒くなるとか、よく泣くとかでましだったんですけど、そうやって外に出ちゃう子やったら、そうやって先生に言われちゃう。そうするとお母さんもイライラする、家であたってしまう、子どももイライラするー…

 

調査員:家の中で悪循環になりますよねー。どういうサポートがあればいいんでしょうね?

 

ゆき:どういうサポートがあったらいいんやろー?でもね、私は子どもになんかするっていうより、お母さんに「大大丈夫よ」って、言ってもらえる方がいいんじゃないかって思います。親がどーんてしてたら、子どもも落ち着くんじゃないかなって思うんで。やっぱり、「大丈夫やで」って一言、言ってくれるだけの場所って、大きい。

 

調査員:それは同じような境遇のお母さんとかからがいいんでしょうか?それとももっと行政や、福祉といった専門家からなのでしょうか?

 

ゆき:私個人としては、行政が入ると、それこそ、病院に通っている感じにならへんのかな、ってわかります?ちょっと大ごとすぎるー?ような、私が病んでるから通ってるんかなーって、感じになるんじゃないかなーって。なんで、ナチュラルにー、集まれる場があればって感じですかね。

 

調査員:なるほど。同じような境遇の人が集まってという感じでしょうか?

 

ゆき:うーん、なんか行政が絡むとなんか書かれてそうな…履歴が残ってたらとか、ないって思うんですけど、でもそこまで行くんやったら、逆に私がおかしいから、行くんかなとかー、紹介されても思っちゃう人もいるんじゃないかなって。

 

調査員:行政はハードルが高いんですね。

 

ゆき:私には高いです。(笑)

 

調査員:行政はほんとに困ったときって感じなんですかね?

 

ゆき:もしかして、そういう集まりから、「こういうのがあるんだよ」っていう紹介があるんやったら、みんな行ってるんやっていけるかもしれへんしー、けどー、最初からここ、どう?って相談所とか紹介されるとなんか、ちょっと重たいって思っちゃうんじゃないかなっと思いますね。もっとそこに行ける道筋をナチュラルにできひんか、って…

 

調査員:ナチュラルにー?

 

ゆき:うーん。(笑)そうですよねー、、難しいですよねー。

 

調査員:いやー、でもそのように思っている方も多いと思うんですよねー。

 

ゆき:そう、そこに行けるまでって、すごく難しいなって…なんか保育園に、保育園に通ってへん子が来るときってあるじゃないですかー…

 

調査員:ありますねー、子育てひろばとか、園庭解放みたいなのとか。

 

ゆき:そうですね、ばっと言ったらあんな感じのでもいいんでー。なんとなく気軽に入っていけるものがあるのもいいんじゃないかなって。私はそんなに思わないんですけど、シングルマザーの人って負い目を感じている人が多くって、逆に、シングルマザーやからって何々って言われるのがいややねんって、ガーンって肩を張ってる人がすごいいて、うん、そういう人らとかも、うーん、シングルマザーってシングルマザーで固まりやすい。私はその環境も良くないって、逆に思うんです。やっぱり環境が分かるから、集まっちゃうんかもしれないんですけどー、なんかそれはそれで世界が狭すぎるんじゃないかなとかー。自分らにとって同じ負のところしか見えへんのんちゃう、って…。私は逆にちがうんじゃないかなって…お兄ちゃんが保育園のときにも母子の家庭は母子の家庭で固まっていたんです。おいでおいでって思うんですけど、そこはそこで固まっちゃってて。すごくフレンドリーな学年やったのに、そこはすごく固まっちゃって。逆に今まで結婚してた立場やから、思うんかもしれませんけど。独特の孤立感はしんどくないんかなって、思いますね。

 

調査員:もっといろんなお母さんが自然に集まれる場所があったらいいのになってお考えなんですね。

 

ゆき:母子やから特別とかじゃなく、だよって感じになれたらいいのになって。

 

調査員:そうですね、ご結婚されててご主人がいても、子育てに困っている人とかもたくさんいますものね。

 

ゆき:はい、お金も苦しい人もいるやろうし。

 

調査員:そうですねー。

 

ゆき:仕事とかもしなあかんから、輪が小っちゃくなりがちなんかなとも思いますけど、私はママ友もいるんで、それは前々から思ってましたね、なんで固まってまうんやろうなって。

 

調査員:なるほど、そう思っておられたんですね。お母さんがまず落ち着くってことが必要かなって思われるんですよね。

 

ゆき:そうですね、子どもってどうしても荒れる時期ってありますもんねー。今、まさにそういう感じで。前よりかは落ち着いてきたかな、とは思うんですが。

 

調査員:そうなんですねー。

 

ゆき:我慢はさせてると思います、けどね。私には見えへん様に逆にしてるんやろなって、思いますけどね。

 

 

【これからについて】

調査員:そっかー…。なるほど、だんだん時間も経ってきまして、これからは少し将来、未来のことなどお聞きしていきたいと思います。今後のご自身の夢とか目標とか教えていただけますか?

 

ゆき:夢、でも逆にいろんなことがしたいですね!

 

調査員:どんなことですか?

 

ゆき:いろんな、勉強とかもしたいし、今まで外とかにも出してもらえなくって、やっぱ亭主関白っていうのがあって、まわりの世界がわからないっていうか、TVも、今も見ないんですけど、ニュースとかも知らなくって、TVも見させてもらえへんかったって言うか、権限がお父さんにあったから。だから今も何曜日の何時に何がやってるかも知らなくって…もう、うん、やっと今、自分が帰ってきたっていうかー、そんな気がしますねー。だからなんでも今は、プレッシャーって言えばプレッシャーですけど、楽しいって考え方にしたら、楽しいかなっていうのは…まぁ、将来何かにつなげるとかはないですけど、もっと視野を広げて、こういう場にこさせてもらえたりするだけでも、もうすごい、プラスやろなって。

 

調査員:なんでも前向きに捉えていこうとされているんですねー。

 

ゆき:そうなんです、私も自分でどうして、こんなに前向きになったんだろうって、分からないですけどね。うん、はい。逆になにらかしらいいこともある分、悪いこともあると思うんで、何がしたいってことはないんですけど…。

 

調査員:TVすら自由に見れなかったんですもんね。

 

ゆき:見れなかったですね。家に帰ったら、座る時間がなかったです。

 

調査員:どうしてですか?

 

ゆき:子どもにごはん食べさせて、寝かしつけたら、8時、9時じゃないですかー、そんぐらいにお父さん帰ってきて、ごはん作り置きだめやったんで、帰って来た時点でつくらないといやなんですね。その時点でつくって、家帰ったら動かへん人やって、私片付けして…でもお父さんが寝る時間になったら、寝ないとだめなんですよー。一緒に、私が先に寝るのもあかんし、お父さんが先に寝るのもあかんしー、「おし、寝よか!」って言ったときに、「はい」って寝なあかんかったから。魚の塩焼きとかめっちゃ嫌いでした、なんで2回もあらわなあかんねんって。なんで風呂上りにグリルあらわなあかんねんって、きらいやったけど。今は楽なんですけど。

 

調査員:それを8年続けておられたんですね。

 

ゆき:できちゃった結婚で、専業主婦と働きに行くというので始まったからかもしれませんけど、ほんともう世界が狭かったんでー。もう、今めっちゃ楽です、「うどんでいい?」って感じですからねー。

 

調査員:もう今日は簡単にってできますもんねー。

 

ゆき:楽ができるんでー。そうだから、子どもとの時間を楽しみたいなーって。子育て楽しみたいなーっていうのが大きいです。働きにでなあかんからなかなか時間はないけど、その分みたいなって思います。

 

調査員:いいですねー。

 

ゆき:ぜひ、孫が見たいぐらいです。(笑)

 

調査員:それはまだ結構かかりますよねー。(笑)

 

ゆき:もう、今から始まりたてやから、現在のことで精一杯でー。もうちょい前ぐらいしか見れないんでー。そこしか考えられないですけどー。今年1年はほんとに生活を落ち着かせることに専念させてもらってー、そっから考えていこうかなーって。落ちるときは落ちるんですよね。

 

調査員:気持ちがですか?

 

ゆき:はい。考えすぎるとー…まぁ上がるときは上がるんでー…。

 

調査員:なるほどー。では、次はお子さんに対して夢とかこうなってほしいとかありますか?

 

ゆき:なってほしいこととかないですねー、やりたいことやってほしい。私もやりたいことやらせてもらったんでー。子どもも自分がしたいことやってくれたらーって思います。私があほやから勉強しろとか何も言えないです。人としてまともに生きていってくれたら、いいかなって。

 

調査員:なるほど。

 

ゆき:大学ぐらいは行かせたいなって、男の子なんでー、それが大きいですねー。国立いけとかよう言わんのでー、多少貯金もして、最低限大学行きたいって言ったらいける様にはしときたいなっていうのが、今の目標ですかね。

 

調査員:そうなんですねー。

 

ゆき:あ、でも今、不安なこと思い出しました!私、自分が体調を崩して働けなくなったときの保障がなくて、病気やケガやらしたときの保障ってどうなるんやろって…。

 

調査員:保険はなにか入っておられますか?

 

ゆき:入ってないんです。

 

調査員:会社の保険は入っておられるんですか?

 

ゆき:はい、社会保険は。

 

調査員:あ、そうなんですね。でも、最悪は生活保護もありますしね。

 

ゆき:そう、実は、私家を買ってたんですよー。

 

調査員:はい、そうなんですね。

 

ゆき:結婚してるときに合算で買ってて、お父さんにも「売る準備していってね」って、今お父さんが住んでるんですけどね。でもどこまで進んでるのかがー、まだはっきり見えてへんくってー…私生活保護の話も聞きにいったんですよー。離婚するときにー、でもうちの場合には、お父さんが家を手放せへん限りは、私も財産を持ってることになってー。

 

調査員:それは名義がふたりになっているということですか?

 

ゆき:はい。まぁそれはめっちゃ個人的なんですけどー、だから、今、自分が倒れたときが一番不安です。だからはよって、お父さんに言ってるんですけどねー、手続きも大変なんですけどー。今、だから現在自分になにか起こったときが心配です。事故にあうなり、したときの子ども。

 

調査員:早く、お父さんに出てもらって手続き進めてもらうしかないですよね?

 

ゆき:「今度査定には出すわー」とか言ってるんですけどー、実際向こうが動いてくれない限り動かないんでー。自分も忙しくてねー、お父さんのところとかにも言いにも行けなくてー・でまぁ、うちのケースは特別として…。母子の場合、お母さんが倒れたときのケアが心配ですごい、いつも気を張ってるんでー。体調が悪くても働かなあかんって…うん、そこかなー。

 

調査員:なるほど、そうですよねー。ではゆきさんだったら、そういったとき、どういうサポートがあればいいですか?

 

ゆき:やっぱり、それはお金ですよねー、うん、働けなくなったときの、収入が困る。

 

調査員:一般的にはそういうときは、生活保護が使えるんですけどね。

 

ゆき:そっか、そっか。生活保護が使えるんですよね。じゃ、子どもの面倒とか。よく聞く話ですけど親戚をたらいまわしとかいやですし。

 

調査員:それはしたくないですよね。

 

ゆき:そういう不安な気持ちがあります…。

 

調査員:そうですよね。

 

ゆき:頭の片隅に、「でもそうなっても大丈夫」って思えることが大きいんじゃないかって思います…。でもその辺は、やっぱり行政さんにも頼らないとあかんのですけど。「ただ大丈夫だよ」って言ってくれる場所がただ一カ所あればいいのになって。

 

調査員:なるほど。先ほどゆきさんがママたちが気楽に集まれる場所があったらっておしゃっていましたが、そういう場所があればいいなって思われるんですねー?

 

ゆき:はい、そうですねー。

 

調査員:気持ちの問題なんでしょうか?

 

ゆき:はい、そうなんです、そこですよねー。そこは気持ちの問題で、すごいプレッシャーですね。でも「大丈夫」って言葉は魔法の言葉やなって、思います。

 

調査員:ほんとに不安なお気持ちがおありなんですねー。

 

ゆき:はい、そこは、本当になにが大丈夫っていうわけでもないんですけどねー。言ってくれるだけでー。

 

調査員:「なんとかなるよ!」とか?

 

ゆき:うん、大きいですねー。

 

調査員:なるほど。でも今は不安が大きい訳ですね。

 

ゆき:そうですね、今まではなんでも「ふたりでやったらなんとかなる」っていうのが、今は「全部ひとりで抱えなあかん」っていう気持ちはかなり大きいです。もう子どもも大きくなって、学校とか行かせたり、とかいろいろあります…。

 

調査員:そうなんですねー。

 

ゆき:はいー…

 

調査員:では、最後なんですが、私たちは、今年5月の北区の事件を受けて活動を始めています。こういったお母さんの予備軍の様な方はたくさんおられるんではないかと思っています。そういったお母さんにアドバイス、メッセージなどいただけませんでしょうか?

 

ゆき:メッセージ?うん、でも何ごとも動いてみないとだめなんじゃないかなと、思ってるだけなんじゃなく言葉にでも出してみたら、なにかが変わるんじゃないかなとは思いますね。とりあえず前に進むか後ろに下がるか分からないですけど、その場で立ち止まることがだめだと思うんで、なにか思うんであれば動いてみればいいんじゃないかなって思います。

 

調査員:うん、ご自身の経験からくる力強いメッセージ、ありがとうございます。

 

ゆき:なんか、こちらこそ、ありがとうございました、話をして、久しぶりにスッキリしました。

 

<以上>

 

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