「大事なことは何にも変わってないですね」
これは、CPAOを活動当初、2013年から応援し、変化を見守り続け、目の前の子どもたちやお母さん方に「これぐらいでいいだろう」ではない、たくさんのおいしいものや珍しいものを全国からお届けくださり、実際に週に1,2回と子どもたちを「感動させたい」と「ごはん会」でごちそうをつくっては、みなを喜ばせてくださり続けていた方の言葉です。
またその方は心ある方々を数知れずCPAOにつなげてくださり、私の息子のこともいつも気にかけてくださり、公私ともにお世話になりっぱなしでした。 現場主義で全国をフットワーク軽く飛び回り、行動する大切さを身をもって示してくださる尊敬する先輩でもありました。
2019年4月2日、その方は、突然、お亡くなりになりました。いつものやさしい口調で私に語りかけてくださった最後の言葉でした。パソコンでこの文章を打ちながらもやさしく微笑むお顔が浮かび、胸が痛く、涙がこみ上げてきます…。
CPAOはさらに楽しく自由になっていくはずで、これからが本番。子どもたちやお母さん方や心ある方々と共にそれらを見届け、横でずっと「いいですね~」と微笑んでいていただきたかった…。
「自分たちの周りでコミュニティを作りたい」
2019年5月25日、「大阪子どもの貧困アクショングループ」は、設立して6年を迎え、明日から7年目の活動が始まります。
昨年2018年は出版や認定NPOになるなど活動の集大成となるようなこともありましたが、活動を続けられるのかという様々な危機もあり、CPAOにとって激動の1年でもありました。そして全国的にもですが、本拠地の大阪でも地震や大雨といった災害の被害に合われた方からのSOSがたくさん届いた年でもありました。
東北の大震災で日本中が思い知ったことでしたが、既存のシステムが機能しなくなった時に周りに助けてくれる人や(地縁だけではない)コミュニティの大切さを改めて思い知った年でもありました。
また相談も受け続けていますが、シングルマザーだけでなく、子ども・若者からの直接の相談も増えてきました。どこにも行き場がなかったり、困ったときに逃げ場がなくて困っていたり、そんな方々からの悲鳴のような声が届きます。
今の世界・社会のなかで、どのようにすれば、特に環境を選べない子どもが子どもらしく「いきいき、自由に生きることができるのか?」ということを走りながら考え続けてきました。
また最近では、子どもが「普通にどう育ち、暮らすことができるのか?」と、何が普通なのかが分からないところにその答えの難しさがあることを思いながら、「子どもは社会で育てよう」という多様な人たちとの風通しの良いコミュニティのような中で子どもたちと向き合っています。
『「助けて!」って言ってもええねんで』
今年2019年度は初心に帰り、アウトリーチに力を入れていきたいと準備を進めています。しんどい状況に置かれ、孤立し、行き場のない・逃げ場のないような子ども・若者ともっとつながりたい、子どもとつながるためにも親子丸ごと、保護者とも。
つながれないかもしれない。でも「自由に誰でもSOSを出していい」という思いだけでも届けたいとアクションしていきます。
「楽しい別次元をつくってください」
先の心優しい活動の先輩から「今の世間では生きていけない」と託された言葉です。まずは、目の前の子たちに、顔の見える関係の、子ども・保護者・心ある応援してくださるみなさまと共に、自分たちでいいと思うものをどんどんつくっていきたいと考えています。支部の和歌山県橋本市の古民家も自分たちで改修しています。新たにスタッフも2人雇用し、衣類や食べ物もつくっていく予定です。
ある一つのアクションが次のアクションを生み、ある人と出会ったから、次のアクションにつながっていく。大まかな方向性はありますが、まず一歩を小さく踏み出し、「次はどうしよう?」と仲間と考えながら、次の一歩を踏み出す。活動はいつもこの連続です。
「かわり・かわらない」、第2創業期を迎えたCPAO。
活動当初からの思い、しんどい状況に置かれている一人ひとりの子どもとつながり、なんとか問題を一緒に乗り越えていきたいという気持ちに変わりありません。
みなさま、引き続き活動を見守り、ご支援・ご協力くださいますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
*写真は、今年3月末で活動を終えた、大阪市生野区のたつみファクトリーのものです。たくさんの子どもたちとたくさんの思い出がつまっています。子どもたちもスタッフも関わってくださっていた方々も、みなさびしい思いをしましたが、さらにこれから自由に楽しい活動にしていきたいと考えています!今後のご報告を楽しみにお待ちください。