【設立3周年のメッセージ】

「もっとおいしい食事をさせてあげたかった」
2013年5月24日、大阪市北区天満で3歳と28歳の母子が餓死した事件がありました。

それまでも私は子ども支援関連の仕事に就いていましたが、この事件を機に、既存の制度や仕組みだけでは、この様な子どもたちが巻き込まれる餓死や心中といった悲劇は繰り返す。

もし彼女が、何らかで情報を得て、頼ってくれ、一緒に乗りこえ、子どもも彼女も死なずにすんだという存在になりたい。

彼女は行政にも一度SOSを投げています。生活の不安を訴えています。ちゃんと対応したようなことになっていますが、手続きの難しさを感じるような、行政の壁を感じるものだったのではなかったのか。真実は誰にもわかりません。

誰かが一緒に行政に同行していたら、たった一人で小さい子を抱えた彼女の強い味方になりえたのではないか、なりえるような存在になりたい、そんな団体をつくろう。

「アクションするしかない!」という想いを込めて、仲間と共に事件の起こった翌日、2013年5月25日に「大阪子どもの貧困アクショングループ」を立ち上げました。

あれから3年、走り続けてきました。
今もなお、気持ちに何ら変わりはありません。

相談、介入件数は、述べ3000件を超えています。

また原点は、餓死事件から始まった活動です。
「まずは、ごはん!」と子どもがお腹をすかす、餓死させるようなことはしたくないという思いは、活動を続けたくさんの子どもたちと出会えば出会うほど、ますます強くなるばかりです。

昨年度も、週3回、毎回、約子ども10 〜30人、100回以上、その他も個別でも食事をを宅配したり、個別のごはん会を入れると、述べ2000人以上の子どもたちにごはんを無料で提供できました。

現在私を含む、無給の7名のスタッフを中心に人員体制を組んでいます。それだけでは活動はとうてい回らず、心あるボランティア、主に食糧などの物資・資金提供といった心あるみなさまのおかげで活動は成り立っています。

活動を様々なかたちで支えてくださっているみなさまの存在はモノやお金といったことを超え、しんどい状況に置かれている方々への「世の中捨てたものじゃない」という希望です。

また今年2月には新たに、貧困問題の背景にある孤立、孤育て、引いては「社会で子どもを育てよう」、特に「子どもの育ち」をサポートするため、NPO法人も立ち上げました。

NPO法人設立趣旨
子どもには自分で育つちからがあります。 そのちからを様々な原因で奪われている子どもたちがいます。 その環境を大人や社会はどう整えることができるのでしょうか?

私たちは周りのおとなと共に、よりしんどい状況に置かれている子どもたちに「まずは、ごはん!」からつながり「子どもの育ちをサポート」できる社会を目指し、活動を展開していきます。

今後の予定・展望として
1.サマークラブ
夏休みに子どもたちが過ごせる場と、昼・夜の食事を提供できるような環境づくり。昨年の経験を活かし、週3回からスタート

2.学童保育制度化に向けた準備

→いつでも子どもたちが駆け込める場所へ!
24h、365日オープンするには?

3. コミュニティラジオ
新たに支援者・NPO会員向けにコミュニティラジオを始めます。視聴方法は別途お知らせいたします。

4. 「養育の社会化」に向けた研究会の発足
様々な専門家や関心を持つ方々とともに、制度と財源について研究・実践しながら、実現を目指します。

子どもたちが巻き込まれる「悲劇を繰り返さない」ために、
あたたかさを伝え、「SOSを出せる人にする」ため。
これからもアクションし続けて参ります。

みなさま、引き続きのご支援・ご協力をくださいますよう、何とぞよろしくお願いいたします。

大阪子どもの貧困アクショングループ代表
NPO法人 CPAO理事長
徳丸ゆき子